料理を作ればサラリーマンのうつ病は治せる!

2017年に定年退職した元サラリーマンが、自分のうつ病体験を元に「うつ病から自力で回復するためのリハビリテーション方法=料理を作ること!」について、思った事・できた事をあれこれ語ります。

医大の入試差別は「不正」なのか?

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 大学の医学部の入試で現役と浪人生を差別していた問題で、ある私立大学の記者会見がTVで報じられていました。質問した記者はしきりに「不正」という言葉を使っていたが、あれは「不公平」とは言えるけれど、「正しくない」と決めつけるのはどうかと思う。

 卒業生や関係者の子供も優遇していたようで、それについても、さも「裏口入学」と言わんばかりだったが、マスコミは考えなしに、とにかく今「悪い奴」を探し出すのに必死なのかな。

 

 確かに浪人生にとって、知らない間に不利な扱いを受けているのは悔しいだろうが、大学医学部は一人でも多く優秀な医師を社会に送り出したいわけで、その立場からすれば、現役で優秀な学生を一人でも多く取りたいわけだろう。受入人数の限界もある中で、現役と浪人生が同点だったら、現役を優遇するのは当然のことではないだろうか。

 これを現役生の立場から見れば、浪人生には「受験の準備期間」は2倍以上あったわけで、むしろ同じに扱われるのは不平等と思うだろう。ペーパーテストの点数を稼ぐためなら、準備期間が多いほうが有利なはず。1回で合格する人数はだんだん減り、浪人の回数が多いほうがより有利となり、合格者の高齢化も進んでゆくだろう。

 しかし、いずれその学生が医師になり施術をしてもらう患者の立場からすれば、手術は1回で成功してもらわなければ話にならない。2回目3回目で成功するなんて医師に執刀されては困るのだ。

 

 また卒業生の子供や医師の子供を優遇するのも、私学としては当然だ。彼らは絶対に合格を辞退しないし、100%に近い確率で医師になってくれるだろう。ここが普通の大学と大きく違う。たとえば法学部の卒業生で法曹界に進む人数はけっして多くないし、文学部出身者が小説家や文筆家、出版・編集業に携わる率も、医学部出身者が医療系の仕事に就く確率より多いとは思えない。どれだけの人数の医師を社会に送り出したかということは、私学医大にとって経営上の最重要事項であり、それを追求することは正しい方針であって不正ではない。

  またここで世襲を批判するのも的外れだ。総理大臣をはじめとして、日本にはどれだけの数の世襲経営者がいるか、世襲を批判する人はそこを認識しているのだろうか。別な分野では「創業〇〇年の老舗 当主は〇代目」などと持ち上げる癖に、医師が世襲だというだけで批判するのはおかしい。

 

 ただ、今までこういう差別を行っていることをまったく公表していなかったことは、フェアと言えない部分もある。ある程度の説明は必要かもしれない。しかしそもそも、ペーパーテストの点数の良し悪しだけで医師になれるかどうかが決まるというのも怖い。もっといろいろな選考方法があって総合的に評価するのが良いのではないか。

 

 質問した記者が責任者の処分を聞いていたが、大学側が「不正と考えていないので処分は無い」としたのは正しいと思う。マスコミはさも「正義の味方」を装って追求するが、実際はセンセーションを求めているだけなのだということが浮き彫りになっただけの記者会見だったと感じた。