料理を作ればサラリーマンのうつ病は治せる! 【不定期連載 第13回:私の職歴とうつ発症の事情(7)】
おとといはカレーを作りました。
カレーは今まで一番多く作っているメニューです。今回は少し目先を変えようかなと思い、ちょっと実験をしてみました。
いつも通り、カレールー(S&B/ゴールデンカレー辛口 & ハウス/こくまろ中辛のブレンド)を使うのですが、もう少しカレーらしい香りをつけようと考え、とりあえず手に入りやすいスパイスとしてクミンシードとカルダモンを入手し、それに生姜とニンニクのすりおろしをプラスして、まず玉ねぎをじっくり炒めることからスタートしました。
具材を煮込む時は、いつものように白ワインとブイヨン、隠し味としてチョコレートを一個(明治のチョコレート効果72%)を入れ、ローリエの葉とともに煮込んで仕上げました。
カレーは煮込み料理ですが、今回は「スパイスで炒めること」に重点を置いた結果、香りとコクが一味変わり、一日目から二日目のような味になりました。この調子で、次回はもっとスパイスを揃えたいと思います。これもちょっとしたP-D-C-Aです。
さて、いよいよ退職を考えたときの出来事です。
ある晩、家で妻に相談しました。
「・・・会社、辞めてもいいかな」
前回休職した時、妻はとても優しくしてくれたので、今回もそんな反応を期待していました。しかし思わぬ言葉が返ってきました。
「何考えてんの? 生活はどうするのよ!」
「えっ?」
妻は、もう働かないというふうに受け止めたのかと思いました。
「もちろん、どこか転職先を探すつもりだよ」
「転職したら給料下がるでしょ? この家をやって行くために、年間いくらかかると思ってるの? 〇百万円はかかるんだからね!」
その金額は、その時の私の年収とほぼ同じ金額です。(そんなに余裕がないのかな・・・?)
「辞めるのが先じゃなくて、転職先を見つけてからにして頂戴!」
それ以上話してもしかたがないと考え、その晩はそれで話を終えました。
その後は引き続き、忍耐力を試される日々が続きました。しかし妻の言うように先に転職先を探すには、心も体も時間的にも余裕がありません。朝5時出勤はなくしましたが、あいかわらず夜は11~12時に帰宅しています。
私の異動と並行して退職した総務部長は、私より3歳年下でした。当時、なぜ退職するのかと聞いたところ、「この会社には将来性が感じられない。自分も45歳だし、どうせ退職するなら一日でも早い(若い)ほうが、少しでも条件が良くなるはずなので」とのことでした。私は慰留をしながら、理由を聴いて「なるほど」と感じていました。
数日後、再び妻に切り出しましたが、私は総務部長の話を使わせてもらうことにしました。
「今48歳だけど、転職するなら50になる前が絶対いいはずだ。50歳になってしまったら、選択肢は極端に減るはずだが、今の状態では、勤務しながら転職先を探すのは無理だ。それに精神状態も良くないし、また休職することになってしまう。」
妻はしぶしぶ、賛同してくれました。
翌日、上司の本部長に「退職願」を提出しました。本部長は、「あー先を越されたな・・・」という反応でした。
それから1カ月間、後輩に仕事を引き継ぎ、溜まっていた有給休暇も全部使わせてもらいました。「ダメだなんて言われたら、絶対に訴えてやる」と思っていましたが、当時人事部には新社長側の人間は入っておらず、優しい対応をしてくれて、特にそのような話はありませんでした。
私は12月上旬に出勤を終え、翌年の1月、24年間勤めた会社を退職しました。会社は最盛期には店舗数120以上、約1,600人の社員がいましたが、私が退職する時点で店舗数は都心の大型店のみ10数店、社員数はわずか300人程度まで減っていたとのことでした。
「こんなに心も体もおかしくなる前に、意地を張らず、もっと早くやめておくべきだった」と、しみじみ後悔しました。
(つづく)