料理を作ればサラリーマンのうつ病は治せる! 【不定期連載 第2回:お好み煮込そば】
さて「料理を作る」と言っても、いったいどんなものを作っているのか・食べているのか、疑問を持つ方もおられるかもしれません。そこで今回は、昼食で私がよく作る「お好み煮込みそば」を、写真でご披露したいと思います。
1.まず小さいなべで、ゆで卵を作ります。(卵はスーパーの売出しで10個99円)
2.タイマーで、沸騰してから2分・火を止めて2分計ります。
3.合計4分経ったら氷水で冷やし、しばらく放置してから殻を剥きます。
4.今回の具材はこちら! 好きなものを好きなだけ入れるので「お好みそば」です。
野菜はにんじん・大根・ほうれん草・しいたけ・薬味に長ネギ。トッピングはゆで卵のほかに鶏むね肉・いわしつみれ・さつま揚げ・栃尾の油揚げ(たまたまスーパーで売っていた大きな揚げをスライスして冷凍しておきました)妻と2人前分です。
5.味付けもお好みで
水は浄水器を通したほうがおいしいですよね。おつゆたっぷりが好きなので、2人分で700mlくらい。味付けは、ほんだし:小さじ1、塩:ひとつまみ、にんべんのつゆ:大さじ2、醤油:大さじ1です。素材を味わいたいので、薄味を基本にしています。
6.そばは乾麺を使います。今手に入るものの中では、これが一番安くて・そこそこおいしいです。(8束入って300円以下)
7.大根が少し時間がかかるので、具材の煮込みから先行スタートし、後から並行して麺を茹でて行きます。この麺はタイマーで6分です。
麺によって時間が前後しますし、そば粉や半生で打ち粉が多いものは吹きこぼれる恐れがあるので、注意が必要です。
(左のグリルパン:平野レミさんプロデュースの初代レミパンを愛用しています)
8.話が前後しましたが、味付けは基本的に軽量スプーンを使って行います。毎回少しづつ分量を変えて、「絶妙な薄さ(=薄いがしっかり味はついている)」を探し続けています。(写真は大さじ1杯・・・弱!)
9.鶏肉・しいたけ・ほうれん草はすぐに火が通るので、麺がゆであがる2~3分前に入れ、更に乾燥ワカメを一掴み。
10.どんぶりには、先に麺とトッピングを取り分けます。
男の料理は、盛り付けがガサツですね。
11.できました! (妻の分は、麺もつゆも自分より少なめです)
12.卵もいいぐあいに半熟です。おいしい。しかも原価は一食100円以内。うれしい!
そして何よりも「自分でここまで作れた」という充実感が、心と身体を満たします。
いかがでしたでしょうか。
ご覧のとおり、私が作っているのは、誰にでもできる簡単な家庭料理であり、特別な素材は何も使っていません。もちろん最初からこんな形ではなく、初めの頃は、ただ麺をゆでて薄めたつゆをかけ、スーパーで買ってきた天ぷらをのせて食べる程度のものでした。
うつの只中で、何をする気力もなくひたすらじっとしている時期には、こんなことができるわけはありません。
しかし、最悪の段階から少しでも回復し、「何か食べようかな」という気持ちになってきたとき(ある程度の活力が出てきたとき)、
料理を作って食べることは、バラバラになってしまった自分自身の人格を再構成するために、極めて有益な方法です。
なぜならば、料理を作る(自炊する)ことは「計画-実行-検証」のプロセスを、極めて短時間に1サイクル回すことができる、大変優れた方法であるからです。
失敗や見込み違いは当然自分で判りますから、すぐに改善策を練ることができ、すぐ次回(または翌日)に「改善計画-実行-検証」することが可能です。
そして最大のメリットとして、仮に検証結果が「失敗」だとしても、自分が残さず食べれば済むということです。
それはつまり、誰にも迷惑をかけないし誰からも叱責を受けない、ただ自分の責任においてのみ完結させることができるということ。失敗しても、自信を失うことがありません。
自分で「無かったこと」にもできるし、「改善の起爆剤」にすることもできる。そういう自由もコントロールする権限も、あなた一人に保障されています。
自分の判断だけで、誰にも邪魔されずに納得がいくまでエクササイズができる。そういう環境(=仕組み)を手に入れることが容易にできる。これこそが、私がうつ病からの回復過程での、リハビリテーションの方法として、「料理(自炊)」をお勧めする最大の理由なのです。
私は、自分が本当に食べたいものを作ろうと思い、手軽に手に入る素材の中で自分が気に入るものを選択し、作り方の情報を集め、同じメニューをこつこつと繰り返しながら、自分のできる範囲で少しづつ自分なりの工夫やこだわりを実行し、現在の環境を整え技術を会得してきました。
技術と言ってもご覧のとおり、人に自慢できるほどの大したものではありません。でも、別に商売を始めるわけではありません。要は、自分が納得して自信を持てればいいんです。そのための方法論ですね。
ではまた。